2015年6月10日水曜日

第十三夜~第十五夜 ロシアと花火とアナベル



第十三夜
夢のはなし。恋人と手をつないで河岸を歩く。「ロシアの川は初めてよ」そう囁くと、ロシア人の彼は静かに微笑んだ。遠くに聖堂の青い丸屋根が見えていた。この風景ははじめから知っている。いいえ、ここは日本だったはずなのに。


第十四夜
夢のはなし。花火をしていた。何の花だったか、きれいに咲いた鉢植えの花の上で、手花火をする。火花が散り、しばらくすると鉢植えに火が燃え移り、花は燃え上がった。それは文字通りの花火だった。


第十五夜
夢のはなし。アナベルという少女と友達になった。彼女の生い立ちは複雑で、いつも彼女は孤独だった。別れ際、永遠に見失いそうだったから、こう囁いた。「いつまでもあなたを待っている。だから私を憶えていて。私はすぐに忘れてしまうから、あなたが私を見つけて」と。



■夢で逢った見知らぬ人とは二度と会えないものです。顔も覚えていないのです。だからこそ、一期一会は印象深いのかも知れません。セリフも鮮やかに覚えていて、それがいっそう醒め際に残ったりします。夢で逢った見知らぬ人は私を見つけてくれるでしょうか。再会をいつも願いながら、けれど新しい出逢いに期待もしているのです。



2 件のコメント :

  1. 夢というのがどんなだか、忘れてしまうくらいに夢をみないので、うらやましいです。それはとりもなおさず夢を見ない現実的な暮らしをしているから?そんな私が最近見た夢は「血液検査をしたら500ベクレルの放射能が検出され、白血病と診断された」という内容でガックリ。職場でこの話をしたら皆さん大喜び。———いつかは夢で見た恋の話でもしてあげよう。

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  2. 春麗さん、私は毎晩のように夢を見ますが、こうやって印象的な夢を見るのは数少ないです。それだけに書き留めるという行為は有意義かも知れません。最近はしばらくものがたりのような夢は見ていませんでした。二年前にはじめた夢日記ですが、やっと十五夜、なかなか増えませんね。

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