2018年3月27日火曜日

夢の丘、一角獣の涙



夢のなかの丘で待っていた、
あなたを、あなたに似た瞳の一頭の馬
いいえ、あれは一角獣というまぼろしの生き物
わたしのなかに駆けてきた純粋な涙


あなたはいつも雨が降っている その頬にも
雨は降りやまない わたしたちのなかにも
あなたという見果てぬ夢を
強く抱きしめて、抱きしめると涙をこぼした


 わたしハ一角獣ヲ夢見ルノデス、


同じ雨に濡れていながらあなたは遠ざかる
春になったら雪解け水が流れるように
春になったらあなたは若木のように枝をのばし
わたしをすり抜けてしまうのだろうか
あるいは白い馬のように駆けて行って


 ソノ一角獣ノ瞬キ二モ似タ一瞬ノ夢ヲ、


あるいは白い馬のように駆けて行って
あなたに追いつけるように
雨が降りしきりすべてを通り過ぎてゆく
雨はあなたに似ている わたしの頬に触れて
やがて跡形もなく消えてしまうように


 ダカラコソわたしハあなたヲ愛スルノデス、


それでもわたしのなかにやさしく残る夢だ
いつしかわたしの腕のなかにひざまずく生き物
わたしを慰める白いまぼろしを
強く抱きしめて、抱きしめると涙をこぼした


夢のなかの丘で抱きしめていた
あなたを、あなたに似た瞳の一頭の馬
まっすぐに見つめて わたしを貫いて
一角獣のたてがみ、風が吹いたら駆けてゆく



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