2009年6月4日木曜日
緑の踝
いくつもの光の輪が揺れている
緑の踝(くるぶし)が踊り私を誘うだろう
風は耳うちして秘密を告げた
胸うちに痛みに似た喜びが広がり
そうして唇から歌がこぼれ
ごらん
静かな火が燃えはじめる
樹々は枝を広げ葉を生い茂らせ
この世界から私を隠そうとする
意地悪な緑の踝が見え隠れして
その先へ その先へ
あるいはどこか別の場所へ
小鳥がふいに飛び立つように
何かやさしいものに驚かされてみたい
後ずさりをしても微笑んでいられるように
無防備な心にさざ波が広がるように
水滴がつと、落ちて
残響が耳にこだまする
世界はいのちに満たされて燃える
葉裏がひるがえり花首は揺れる
流れはひた走り濃い影にふちどられる
音楽はたえまなく奏でられる
風は吹く 喜びはここにあると
踊れ 踊れ 緑の踝と共に
樹々の根元にやがて私は眠る
そしてどこか深い場所で感じるだろう
緑の踝がそっと忍び寄り
しなやかに指先をのばすのを
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