2015年6月24日水曜日

シークレットガーデン




さくらさくら、さよならだけを待っていた花びら散ってエデンの彼方


はつなつの門をくぐってアルカディア永遠の君へ薔薇へ旅する 


夏草を裸足で踏んで逢いにゆくシークレットガーデン君は


くちびるに花びら咥え水の舟オフィーリアごっこ愛もたゆたう


森の奥眠れる塔に囚われてモリスの花柄夢の裾引く


愛だけに目覚める夜明けこの胸に秘める百合花ソロモンの雅歌


君の目のステンドグラスに雨が降る誰も青い花探す巡礼


くちびるにメメント・モリを囁いて花摘みあそぶ夢の中でも


ピルエット、わたしだけの裏庭で光と影が踊る永遠





2015年6月10日水曜日

第十三夜~第十五夜 ロシアと花火とアナベル



第十三夜
夢のはなし。恋人と手をつないで河岸を歩く。「ロシアの川は初めてよ」そう囁くと、ロシア人の彼は静かに微笑んだ。遠くに聖堂の青い丸屋根が見えていた。この風景ははじめから知っている。いいえ、ここは日本だったはずなのに。


第十四夜
夢のはなし。花火をしていた。何の花だったか、きれいに咲いた鉢植えの花の上で、手花火をする。火花が散り、しばらくすると鉢植えに火が燃え移り、花は燃え上がった。それは文字通りの花火だった。


第十五夜
夢のはなし。アナベルという少女と友達になった。彼女の生い立ちは複雑で、いつも彼女は孤独だった。別れ際、永遠に見失いそうだったから、こう囁いた。「いつまでもあなたを待っている。だから私を憶えていて。私はすぐに忘れてしまうから、あなたが私を見つけて」と。



■夢で逢った見知らぬ人とは二度と会えないものです。顔も覚えていないのです。だからこそ、一期一会は印象深いのかも知れません。セリフも鮮やかに覚えていて、それがいっそう醒め際に残ったりします。夢で逢った見知らぬ人は私を見つけてくれるでしょうか。再会をいつも願いながら、けれど新しい出逢いに期待もしているのです。