2010年6月9日水曜日

感触



うす青く空にひらいたドアの隙間から
輝く雲が覗いている 
今も遠くはなれて君をおもう
見えない手のひらで
君をそっと抱き寄せる
(いつの日もよすがを探している)
(途方に暮れて)
あるいは意味などないにしても


鮮やかに芽吹いた緑の道を歩く
また一歩踏みしめる
残してきた春をいとおしむように
小指にほんの少し
草の汁を擦り込んで
(誰もが知っているなつかしさで)
(頬に触れる)
それはあの日の夢にも似ていた


いつか歩いた
(そして 星が輝く)
線路の匂いを嗅いだような気がして
そして振り返る
ためらいがちな 風
風よ その感触を知っている