2010年9月16日木曜日

Ave Maria












私の大好きな「Ave Maria 」。聖母マリアへの祈祷。そのための厳かな教会音楽からピアノの練習曲まで、それこそたくさんあるのに驚きました。その中でも私のお気に入りはジュリオ・カッチーニです。とても情感豊かな曲で、深く心を打たれます。しかし、この曲、本当はウラディーミル・ヴァヴィロフという、ロシアの作曲家が作った比較的新しいものだと知り、いささかショックでした。確かに従来のバロック音楽とは異質かも知れません。英国のロバート・プライズマン作曲のものと相通ずるものがあるような気がします。
新しい時代の音楽。Libera が歌うこちらも大好きな「Ave Maria 」です。彼らもエンジェルヴォイスでカッチーニを歌っていますが、ベラルーシ出身のカウンターテナー、Slava の歌声は忘れられません。


2010年9月9日木曜日

緑の蝶



渇く忘れ去られた庭に光があった
錆びついた鉄柵はきしみを告げる
ほしいままにはびこる夏草が
風を連れて通り過ぎてゆく


忘れ去られた庭の
土は乾いて陽盛りだけが
影を作り 思い出を形作り
かつてあったものを浮かび上がらせる


 あかつきの星 ゆうぐれの星
 は どこに
 やさしい面影はどこに
 手のひらを重ね合った人は


あかつきの星 ゆうぐれの星を探し
僕は一人荒れ庭をさまよう
今は盲目だけが時のよすがになり
この風の過ぎ行きに消えてゆくのか


差しのべる指の隙間を


飛び立つものは一頭の蝶
何ごともなく ただの偶然に


蝶よ
僕の心は遠すぎる
蝶よ
指先をかすめていった