2019年7月17日水曜日

第三十四夜~第三十六夜 階段と幼なじみと球体



第三十四夜
夢のはなし。そこには梯子状のものや上階へ行くいろいろな階段があった。どれでも好きなものを選んでよいと言われ、木製の扉の裏側にある古びた木の階段を上る。たどり着いた階には本棚や机に本がびっしりと置かれていた。どれも好みのものばかりだった。


第三十五夜
夢のはなし。小さな子供に戻って、幼なじみの男の子と笑ってじゃれ合う。学生服を着るようになっても、あなたと戯れた。けれど、現実には見知らぬふたり。


第三十六夜
夢のはなし。会場に宇宙からやって来たという球体があった。透明な中に鳥の卵のように何かがいた。ふと目玉が動いてこっちを見て認識したようだった。「あなた選ばれたのね」近くにいた人が囁く。その場を離れたが、何に選ばれたのかは不明である。



■階段やエレベーターの夢をたまに見ます。いずれも上階または下階への移動手段ですが、階段は建物の中にある場合がほとんど。学校の夢によく登場するのですが、階段を移動しているあいだに迷ってしまうのです。目的の場所にはいつもたどり着けない。その中でたどり着いた場所は貴重なのかも知れません。



2019年5月18日土曜日

Equus



ある日突然 少女たちは愛に目覚める
砂漠の朝 あるいは雪山の夜に
一頭の馬のように私のもとへ
走って来る そして駆け抜ける愛の痛み


運命だと知るには遅すぎるだろうか
少女たちは祭壇に祈る あるいは燈火に跪き 
花々が咲いて枯れてしまう前にどうか
一頭の馬のように私のもとへ
走って来て 愛を抱いたまままっすぐに


砂嵐の通り過ぎたあとで抱きしめられたように
雪降る森林のはざまに倒れ込むように
あのひとは私を見つめている 遠く谷山の彼方
オアシスに 凍りついた湖に


夢のくちづけは熱く滴る蜜
夜明けはこぼれていつか翼をもがれた鳥になり
雲になり風になり散って血のように赤くなる


それは秘められた契りのようなもの
少女たちは薄絹に目を閉じ 毛皮に沈黙を守る
愛だけを目印にして駆けてゆく
一頭の馬のように私のもとへどうか
待っている 待っている とこしえにあなたを



2019年4月9日火曜日

第三十一夜~第三十三夜 馬の温泉と廃墟公園とパレード



第三十一夜
夢のはなし。銭湯に行ったら温泉地になっていて、馬たちの浴場もあった。小型馬を連れた客と言葉を交わす。湯屋の入り口で紙を渡され短歌を書くことを強要されるが、下の句が思い出せなくて俳句になった。「馬のお湯さわやか香る秋の暮れ」


第三十二夜
夢のはなし。友人たちと連れ立って小高い斜面にある廃墟群を見に行く。教会をはじめ、廃れた民家が木立に点在しているのだ。今は公園になっており、連休のため、出店も出て、家族連れがいっぱいいてにぎやかだった。普段は誰もいない寂しい場所だと知っている。


第三十三夜
夢のはなし。近所で祭りのパレードがあった。大勢の人が練り歩く中に、山車に乗った一人の外国人女性が歌を歌っている。知らない歌だった。その歌声はか細いようではっきりと心にも届いた。言葉は分からなくても。



■音楽の夢は余り見ないかも知れません。その中で、夢の中の歌はなぜか知らないものが多いです。断片だったり、自分で歌う場合はうまく歌えなかったり。珍しくはっきり歌声を聴いたのは外国の歌でした。知らない言葉の美しい歌でした。夢の歌の歌詞は夢の中だけのもの。すぐに忘れてしまうのです。




2019年2月11日月曜日

わたしたちのもうひとつの翼



ミハイルには翼が四つある
バーン=ジョーンズの絵画のように美しい優雅な翼だ
けれど目には見えない その背中には何もない
ミチルは三つ ミーチャは二つある


わたしの翼はひとつだけ
片翼だけど 大きくてしなやかに抱いてくれる翼だ
空を飛ぶことはかなわない 鳥ではないのだから
ただどこかへ連れて行ってくれる翼を


 風に吹かれたい時は風に
 花になりたい時は花に


わたしたちは秘密の踊り場でステップを踏む
わたしたちは遊び足りない気もしている
手をつなぎ合って 輪になって
あるいは数えきれないほどの言葉を


わたしたちは別の時間を生きている
わたしたちの王国は手をのばせばすぐそこにある
そこでは誰もがほんとうに飛ぶことができる
それぞれのかたちの 思い思いの翼で


ミハイルは空を飛ぶことを夢見ている
遠く遠く 高く高く
わたしはいつか落ちてくる彼を受け止めることを
夢に見ている