2014年8月26日火曜日

球体の海



透明なものがたりがあった
ひとあし、ふたあし、訪ねていくように
波が岸辺に打ち寄せて


貝殻を拾って、耳に寄せても
波音は聴こえない
わたしの耳には
あなたの潮騒ばかりが渦巻いている


いつしか砂が崩れて夕べになる
(あなたを思う事は永遠に等しい)
朝も昼も
星の届かない夜も
もしかあなたを忘れてしまっても、


遠くで舟の帆がきらりとひらめく
足もとで白い鳥ばかりが飛び立つ
囁いた言葉が胸のおくに反射する


昨日から
明日から
逃れるように