2014年9月24日水曜日

ひとしずくの夜明け




ひとしずく、落ちて夜明けを目覚めゆく希(ねが)いを祈りを君の瞼に


白い鳥ふいに飛び立つ海岸(うみぎし)に遥かな時をひとを忘れる


また夏に帰ってゆく旅誰もいない駅にまどろむ麦藁帽子


まだ青い蕾を心に抱(いだ)いては日々は花びら風に散りゆく


永遠を波がさらって声もなくただ砂の城崩れる夕べ


遠い日へ列車は走るこだま、こだま、緑に濡れたおもいでのゆく


さびしさは身を揺する花草原にリュート爪弾く風の横顔


目のおくに河は流れるどこまでもあふれて遠く君の原野へ


灯台は極夜を守る波間より指さす方(かた)へ光はのびて




2014年9月10日水曜日

第十夜~第十二夜 浮島と廃墟と指輪



第十夜
夢のはなし。列車に乗っていた。車窓を見上げると、夜空に木の生えた小さな浮島があり光をこぼす。浮島は次々と出現する。まるで打ち上げ花火のように。世界の終わりの夢を、以前に見た事があったと思い出した。


第十一夜
夢のはなし。電車に乗って廃墟を見にゆく。陸橋の上で見下ろしたその一角には、手前に窓の破れたアパートがあり、誰もいない廃屋の塊の向こうに、沈黙して寺院が鎮座していた。時の壊死をこぞって人は見にゆくのだった。


第十二夜
夢のはなし。どこかの講堂。書き物をしようと机に座ると、書類の下に指輪を見つけた。彫り物のある幅広の銀の指輪だ。左指にはめると、少し大きい気がしたが、私にそれは収まった。待っていたように。




■ときどきファンタジーのある夢を見ます。空に浮かび上がる花火やUFOを見上げていたり、寂しい廃墟を見たり。その廃墟の町は観光地のようになっていました。下には降りられず、高台から続く陸橋でしか見られない仕組み。どうして廃墟になったのか、理由はいらないのだ。時が止まっている、それだけで。