2014年4月23日水曜日

アグネシュカ 夜明けの森



夜明けの森を夢見た わたしの閉じたまぶたは
光によってひらかれる あなたの白い
春のような指さきで


わたしのためにあなたは生きていた
わたしが悲しいときははらはらと涙を流した
嬉しいときはあなたは花のように微笑んで
黄昏がさびしいと
水のきらめきが美しいとこころを痛める


光と影のようにいつも隣り合って過ごした
もうひとりのわたし 
手をのばせば今すぐあなたに触れるだろう


すみれの花を抱えて途方にくれないように
花の匂いにむせてあなたを見失わないように
一心に森を駆け抜けた 生まれたばかりの足で


 (どこかで鐘が鳴り響く 耳の奥で
  いいえどこか遠い湖の底で)


橋を渡るとあなたが待っている
アグネシュカ 青い瞳にわたしの湖が映る
揺れる長い髪にくちびるを寄せて
わたしはもうひとりのわたしを抱きしめる


あなたをずっと夢見ていた
アグネシュカ 夜明けがもうすぐやってくる
あなたとわたしがひとつになるように
どうか白い指をからめて


あなたに導かれて 夜明けの森を夢見た
森は眼前にひらかれる 翼をひろげた鳥として
ふいに飛び立つ空はすみれいろ


 (どこかで鐘が鳴り響く 耳の奥で
  いいえどこか遠い湖の底で)


 あなたのためにわたしを生きている




2014年4月9日水曜日

第七夜~第九夜 サンダルと湖底と絵葉書



第七夜
夢のはなし。とてもきれいなサンダルを履いて出かける。なめらかな赤地に、ブルーやグリーンの入った不思議な色合い。それはまるで私の一部のようにぴったりと合った。


第八夜
夢のはなし。氷上に穴が開いていて、静かに落ちて沈んでいった。湖はどこまでも透明で、底には赤い花びらに似た生き物がいる。手のひらに乗せて、そっと飛ばした。私はわたしを浮上させるように。


第九夜
夢のはなし。一度きり、逢った人に絵葉書をしたためていた。どこかで見た外国の街並みの写真。結びの言葉は「愛をこめて」。サインしたのは古い名前だった。




■夢の中でサンダルはあまり見ません。いつもは靴といえば、運動靴や革靴なのでした。しかも、どこかの建物の玄関や下駄箱とセットになっています。そして靴を探していたり・・・。ヒールを履く夢は見ない事に気が付きました。ふだん履き慣れていないからでしょうね。夢の中でいい。美しい靴を履いてみたく。