2015年6月24日水曜日

シークレットガーデン




さくらさくら、さよならだけを待っていた花びら散ってエデンの彼方


はつなつの門をくぐってアルカディア永遠の君へ薔薇へ旅する 


夏草を裸足で踏んで逢いにゆくシークレットガーデン君は


くちびるに花びら咥え水の舟オフィーリアごっこ愛もたゆたう


森の奥眠れる塔に囚われてモリスの花柄夢の裾引く


愛だけに目覚める夜明けこの胸に秘める百合花ソロモンの雅歌


君の目のステンドグラスに雨が降る誰も青い花探す巡礼


くちびるにメメント・モリを囁いて花摘みあそぶ夢の中でも


ピルエット、わたしだけの裏庭で光と影が踊る永遠





2 件のコメント :

  1. さて、いろいろなことを織り込んだ連作ですが、
    私が直接に知っている物語と言えば「秘密の花園」だけです。
    絵が目に浮かぶのはオフィーリアの歌。
    「ごっこ」と言えば、いかにもたのしい遊びのようです。
    たゆたうは掛言葉でしょうか。
    そういうわけでこれがもしも歌会だったら、
    オフィーリアの歌を選びます。
    「さよならだけを待っていた」が好きな表現なので、
    「ステンドグラスに雨が降る」が好きな題材だから、
    その次に。

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  2. 春麗さん、今回はシークレットなガーデンのようなものを花で飾ってみました。ミレイの絵画のように、水に流されるオフィーリアを真似したごっこあそびは昔の少女たちも憧れたようで、それは現代でも同じだと思います。かくいう私も憧れました。掛け言葉は特に意識していませんでした。何も考えていなかったりします。

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