藤のからまる森で
昼下がりの
うすむらさきに藤がひかる
森で
少女は見知らぬ少女と出会った
目を閉じて 見知らぬひとと
わたしの森を過ぎてゆく
風、
心臓の音だけが聞こえるでしょう
唇と唇が触れ合い
少女の長い髪が痛くって ね、
アナタハ一体誰デスカ
アナタガ何者カナンテドウデモイイヨウニ
やがて黄昏が
うすむらさきになって
わたしたちの慕情をかくした
見知らぬひとと 指をからめて
わたしの森をさまよう
夜、
何も知らなくてもいいのです
星はお互いの胸にひかって
どこかせつなくって ね、
藤がゆれる うつくしくあるためだけに
少女たちはもうどこへも行けない
森で
明日もその次の日も
藤が咲いていたのはもう2ヶ月くらい前のことでしょうか。
返信削除初夏というには少し早い季節。
確実に季節を告げる花でもあります。
でも詩や出会いに絡んで咲く藤の花は初めて。
三尺もある長い花ふさに遇うことを
こころ待ちにして、また春まで過ごします。
春麗さん、藤の花を見て詩を書いてみたいと思ったのでした。毎年咲くのを楽しみにしている花のひとつです。私の見たのは山藤で、遠く木にからまっている花。なので、庭園にある藤ほど美しくはないのです。けれど、どこか幻想的な景色ではあり。書いているうちに、「藤娘」という人形のイメージもあって、少女の世界が出来上がってしまいました。
返信削除個人的には、カタカナの部分は宇宙人チックで唐突感があり過ぎるけど、
返信削除シャガールを水彩画にした様な、そんな透明感のある森の薫りが伝わってくる様です。
Yさん、シャガールの絵画は好きなので嬉しいです。唐突にカタカナを挿入したのは、詩にアクセントを持たせたいと思ったから。それは何だか遠い心の声を、あるいは人形のような。宇宙人チックという言葉は的を射ているかも知れません。
返信削除