風が走っている、この胸の中で
指先で奏でてゆく夜の心音
私を呼んでいる遠い声が
耳もとでこだまするたまゆら
そっと指をのばす、頬に触れたなら
夜明けのはじめの光が胸へと届く
あなたはみつけたの、私は
裸足のままで何も飾らず
ただ心の命ずるままの翼
暗闇でも恐れはしない
どこまでも駆けてゆく、踊るようなつま先で
ただひとつの星の輝きを頼りに
砂時計はまだ落ち続けている
壁時計の針はまだ動いている
すみれは匂っている、心のどこかで
やがて咲く日をやわらかに待ちながら
私のすみれよ
ひそかにもえているだろう
決して消えることのないその火よ
いとしいあなたを抱きしめる、夜も昼も