2011年11月10日木曜日

わたしの天使は



わたしの天使は飛び降りる
高い塔からまっさかさまに
天使は翼を広げたまま
わたしへ向かってほほえむだろう


雪が降るように真っ白に
翼は光る冬のはじめの陽射し


     わたしのもとへ落ちてきて
     わたしのこころへと落ちてきて


この窓をあけてある朝見た空のいろ
いつまでもまなうらに焼きついている
何度も何度もこの窓をあけて生きてゆく
何度も何度も思いはいつも同じでも
どうどうめぐりの河であっても


わたしはここに居る
ここに立って見上げている


ある朝目覚めるよろこび
あれは冬のはじめの陽射し
とても遠い遠い場所から時をこえて
あれは高い塔から降りきたるひかり
それを両手で受け止めるために


     どうかわたしのもとへ落ちてきて
     わたしのこころへと落ちてきて


わたしの天使は飛び降りる
この朝もその朝もめぐるひかり
わたしにやさしくほほえみながら