よく通る口笛ひとつ風道に草の穂ゆれるいつか旅する日
風あかるい野は海の底くちづける花のあわさに惑う光を
過去(すぎゆき)はさびしさ抱きけれどただ慰めるうた風と聞こえて
ゆうべみた夢にさまよいこの朝も抱きしめる風あなたの吐息
果ての空飛び立つ鳥はいつか見た透過する青永遠へつづく
ふるさとは風に吹かれてそこにある記憶の窓のゆびを伸ばせば
忘れては上ってゆくか赤い花ひとつこぼれて冬のきざはし
君に似たいとしさだけが、風花に心とけゆく冬を知ってる
(なつかしいうたをうたって)風道に遠くまなざす瞳ははるか