青い扉の向こうに
雪原が広がっている
かすかなノイズ
そのなかに紛れるように
一頭の白い馬
あれはあなたが放した淋しい夢だ
指で触れて
夢だと知りながら
その長い首を抱きしめる
あなたの淋しさに触れた時から
私はあなたに恋をした
雪原に燃える一条の火のように
誰もいない
私たち二人だけの世界
雪がほろほろと降るなかを
馬は私を背に乗せて駆けていった
どこまでも
私たちは燃え盛る炎だった
私たちは決して消えることのない
火だった
(あいしている あいしている)
いつか世界の果てにたどりつけるように
青い扉の向こうに
雪原が広がっていた
一頭の白い馬
まぼろしのようにまなざしを駆けていった
青い扉が静かに閉じて
私はひとり涙を流す