おやすみ、あなたの黒髪にまだ青い葉をからませ
おやすみ、蔦は赤く、赤く血の色のよう
あなたの血のように赤く 私の血のように赤い
蔦を体に這わせ 木の葉の雨の降りしきるなか
そっと夢みる秋は遠い火の匂いがする
誰かが焚いた火を静かに守るように
あなたのなかで燃え続けるいのちが
いつしか心をあたためていつしか指も足先も睫毛も
焦がして けれどその火から目を逸らさずに
じっと見つめる森の彼方はこうして夜も昼も明るい
その火はあなたを強くするだろう こんなにも
その火はあなたをやさしくするだろう まるで
あなたの血のように赤く 私の血のように赤い
( 木の葉は降り積もる あなたの時間を満たすため )
おやすみ、あなたの黒髪はまだ若く花が似合うとしても
おやすみ、匂うように白い無垢を瞳のおくに宿して
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