2017年10月14日土曜日

夢の手触り



冬の城明け渡すとき水中で愛を交わしてウンディーネのように


雨そして夢から醒めた余白には君のではない愛の降りしきる


君の目に春を捧げる、遠い日に誰かに焦がれ散りし花びら


海鳴りを聞いて一夜の契りとして花をちぎって含む眠りを


夢の花白くていっそ目を閉じる抱きしめられて海の果てまで


砂浜にさびしく光るガラス片破船の旅を君を夢見る


夏は行く忘れ去られた塔の影窓越しに見た輪回しの少女


幾千のひかりに打たれて口づけるほろびいくものなつかしいもの


たぐり寄せる夢の手触り近づいて遠のいてゆく秋草の果て



2 件のコメント :

  1.  ごぶさたしています。短歌ならと思ってみたものの難解でギブアップ。なのでフィジカルにアプローチしてみました。キーワードを探すと9編の中で、季節が4つ(春、夏、秋、冬)、夢が4つ、君が3つ、空想的な言葉が3つもしくは4つ(城・ウンディーヌ、破船、輪回しの少女)登場します。これは表題に示されているように、1年の間に見た夢の内容を歌にしたものではないでしょうか。夢のひとつひとつがどんな内容であったか?君が3回登場すること、時間や距離をあらわす言葉が多くみられることから、きっと夢で誰かと離れたんだろうと思います。部分的には口づけや契りがあったりするのですが・・
     初めはウンディーヌに気をとられ、途中で輪回しの少女に心変わりしました。ということで、②醒めた余白、⑥輪回しの少女、が私の好きなトップ2です。

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  2. 春麗さん、ご無沙汰ですね。コメントに気づかずお返事遅れました。どうもメール通知が機能していなかったみたいで・・・汗。
    最近寡作で一年をかけて作った短歌群、しかも漠然と考えたので支離滅裂になった感があります。途中で夢がいくつかあるのに気づき、無理やり夢をテーマにしてみたという。ウンディーネに絡む何かにしようと思ったのに、挫折して輪回しが通り過ぎました。夢に夢を見た一年だったのかも知れませんネ。

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