2014年6月24日火曜日

バラッド



さくら花、いつか出会いを繰り返し君のひとみにこぼれるバラッド


花弁に触れてひかりは遠ざかるこのひとひらに惑うこころを


新緑の夜の涙になきぬれてまどろむ夢に風は滴る


いつか君の心がほしいいつか君せつなくてただ立ち止まる風


やさしさはポケットの中に今もあるソウルメイト、君と僕とは


昼の月夜の太陽夢を見るまだみぬ「声」のその囁きを


雨のなかそっと触れ合うくちびるの降りしきるキス、海があふれる


幾筋の涙をきらり光らせて魚影ひしめく街角の雨


夢だけが僕らを渡す雨上がりさしだす指に虹がかかる日



4 件のコメント :

  1. バラードのことかと思いましたが、ちょっと違うようです。
    ソネットとかいろいろあるんですね。
    よくは判らないながらもバラッドという形が、
    翳りがなくて、乾いていて、ひとごとのようで、
    ちょっぴり本音が入って、いいんじゃないでしょうか。
    歌はどれも佳いので、フレーズで選ぶなら、
    ①魚影、②海があふれる、③立ち止まる風、④囁きを。
    と、すればやはり9番がお気に入り。魚の棲む海ということで7番。
    9−7は予想外の大穴でしょう?
    歌として選ぶなら1−4−5です。

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  2. 春麗さん、バラードとバラッドはどうも違うようですね。
    短歌なので、ぴりっとしたバラッドとしてみましたが(そうです、乾いた感じです)、必然的に悲劇的な内容のものなのだとか。
    何だか違うような気がしてきましたが、ひとつの物語としての歌という事で落ち着かせました。9番は確かに予想外でしたが、7番はありです。

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  3. そそっかしくてすみません。
    8番のつもりで9番と書いてしまいました。
    8−7に訂正。
    でも9番の「夢→雨上がり→虹」も、希みに満ちていて
    明るいところが好きです。

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  4. 8番でしたか。それもありですネ。雨でつながった、魚と海。
    ああでも、バラッドなのに、明るく終わってしまったのでした。

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