2015年10月21日水曜日

水辺の恋



花一輪、波紋を作るみずうみにたゆたう心七月の舟


摘み捨てて赤い花ばかり選んでは水辺の恋の淋しいあそび


白い鳥飛び立つ果てに海がある君の涙をもとめて遠く


いとしくて細い指さきのばしては摘み取る果実青い雨が降る


祭り前夜ツインソウルの見る夢に目覚めるあしたリボンをほどく


夏の終わり帽子を風に翻し君のカルナパルつばさひろげて


星月夜、見つめ返すは遠い窓カレイドスコープを覗くまなざし


ただ君に寄せてゆく波いたずらに朱をこぼしつつ秋草の岸


水の重さ愛する罪はウンディーネ君の背中に雨音を聴く



2 件のコメント :

  1. 水辺の恋にふさわしく、水がらみのことばが次から次へと繰り出されます。みずうみ、舟、水辺、海、雨、波、岸、水。私も好きなので、誰かを誘うなら水辺がいいと思っています。一方ではツインソウル、カルナパル、ウンディーネと耳慣れない言葉が登場し、これらは辞書のお世話になりました。万華鏡のようにことばが踊る中で、実は、おリボンフェチなのですが、リボンをほどくのは夜ではないでしょうか。それなのに、なぜ朝になってからほどくのか。星月夜とあるから、これはやっぱり夜通し見ていた夏の日の恋のものがたり、と思うことにしました。そして私がひとつ選んだ歌は「祭り前夜ツインソウルの見る夢に目覚めるあしたリボンをほどく」。返歌は「目の前でりぼんを結ぶそのひとをずっと後から恋だと知った」

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  2. 春麗さん、水辺からはじまったので、水がらみにしてみました。水辺は私も好きです。恋をするなら、なおさら。リボンの歌ですが、このリボンは一体何のリボンなのか。いろんなイメージがあります。髪に結んだリボンだったり、胸のリボンだったり、何かを開けるためのリボンかも知れません。特定の意味はなしていません。たぶん、ほどかれて目覚めてゆく訳で。それは目の前のリボンであって、そうでないのかも知れません(ずっとあとになってから知るのでしょう)。

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