「春ショパン」
やるせなさ瞳は映すとおい窓夜は流れて青いノクターン
駆けてゆく白い足首白い影心に落ちる雨だれを聞く
思い出す人の涙を黙りこむ肩の重みを別れのゆうべ
頰よせる日々はバラードなつかしい指先で繰るいつかの詩集
つきはなし逃げてゆく春残されてひとり目覚める葬送の朝
「春の日」
君の目が欲しいんだただ春の日にやさしさなんて知らなくていい
叩くたたく野に打つ雨に踏みにじる花の弔いこのぴあのソロ
かなしみは街角で吹くシャボン玉それとも一人つぶす苺の
たそがれの音楽室に忍び込みセロの弦切る盲目は早く
破り捨てやぶりすてまた書く手紙うつしみを乞う春の日はゆく
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