「星のなまえ」
サーチライト君のまなざし射抜かれて私の愛も浮かび来る海
夜海の波うち際に刻まれる星のなまえを覚えてねむる
永遠の星を探してしずむ船嵐の海に記憶もろとも
また今宵夢が輝き消えてゆく私もいつか堕ちて流星
ひそやかな光でもいいこの胸に息づく星を秘する黄昏
「夏至祭」
燃えながら灰のなかから生まれる鳥その目にうつる火祭りの夜
名前なき舟ならばただ漂うか海に溺れて星があかるい
不確かさそれのみ満ちる雨のごとうすい胸にも染みる薔薇香
六月の火よ焼き尽くせこのこころ真昼は今も熱を保って
草いきれ、が絡みついてはなれない夕べの意味を奥処に刻む
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