2023年10月15日日曜日

とおい歌/押入の夕闇


 





「とおい歌」

いつの日の窓辺に聞いたとおい歌盗んで消えるおもいでの耳

汽笛すぎ残されゆくは草鉄路待つだけの駅呼ぶだけの風

なぐさめを知るか口笛おおぞらに心を放ちくかくちぶえ

知らぬ部屋みしらぬ二人浅いキスギタア爪弾く黄昏のゆび

ハメルンの笛吹き男のとおい歌子供にもどってついていきたく


「押入の夕闇」

押入に夕闇はつと隠れてる「もういいかい」と「まあだだよ」とで

庭先にブランコだけがゆれていて昼のサイレン明日はとおく

陽のひかり障子にさせば心痛み指でつくるは淋しいきつね

すりむいた膝をゆるして泣き虫は一人でいてひとり忘れる

足裏でたしかめているこの夕べささやき過ぎる風は「明日」と

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