「あおい檸檬」
かなしくはないと云ってよあおい檸檬軽く齧ったあなたとわたし
黒髪が胸にまつわり痛くってあなたを睨むそろえ前髪
爪を噛むしぐさを憎むいっそすぐ指をつかんではなさない恋
焦がされて重ねては塗る紅のいろくちびる許す夜は慰め
あおい檸檬さびしさ薫る手のひらになじんだ重みまたもてあます
「あかい花」
あかい花、血の滲みただかなしくて唇ぬすみ逃げる夕焼け
あかい花、きれいだねってつぶやいた水に落ちればいつか見た夢
あかい花、口にしたなら消えてゆくならば塞いで意味など知らず
あかい花、夕べのように燃えている焼け焦げてなおこころを抱く
あかい花、いついつまでもと願ったいつになったら忘れられる恋
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