「たそがれ」
夕影がひたひた伸びて心ぼそい手の鳴るほうへ手の鳴る方へ
最後まで残るこわさに二人して遊びなかばで遁げるたそがれ
終わらない遊戯にも似る夕暮はかごめかごめのその輪のなかに
泣いた鬼電信柱の暗がりに白い手だけが招くやさしみ
やるせなく空き缶ばかりころがって角を消えゆくたそがれの影
「コランダム」
貝殻のように丸まりうずくまり鉱石さがすイギリス海岸
行き先のない汽車に乗りひた走るどこまで行っても通過駅のみ
夜すでに企み隠すコランダム見知らぬ青にやがて来る星
砂粒のこぼれ広がる小宇宙指のあいだをさらさらさらと
僕たちはインクルージョン何もかもひとつになって銀河に光る
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