2023年10月19日木曜日

沈黙と蝶/永遠中毒


 






「沈黙と蝶」

夏の野は沈黙の果てみつめあうだけのくちづけ唇に蝶

じっとして壊れないよう忍び寄る白い羽には光だけ射し

言葉などもはやいらない君をつれ夏の丘へと逃げる細足

けれどもう絡む深草指先の蝶を逃がして倒れこむ道

愛というその白日夢うなだれる虫取り網の少年われは


「永遠中毒」

少女服脱ぎ捨て君は駆けぬける街角、インクの乾かない朝

追いかけて非常口ドア雨上がり無邪気な青にだまされてゆく

水にうつる言葉も意味もないグラス残り香だけの君のストック

永遠は知らない言葉軽薄な口もと濡らし走り去る雨

白い蝶真夜中すぎの水槽に閉じこめてみた僕だけの恋


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