「水晶夜」
頰杖でまどろむ窓辺何もかも透き通ってゆく水晶夜にて
草のゆめ針の夢またむらさきの時のうつろい夜は傾き
果敢ないと花びら時に散るならば肩に腕にせめてくちづけ
また一人グラスにそそぐ檸檬水明日になればすこし潤う
窓むこう眼差しそらす違う顔夜のひとみは瞬きもせず
「ドア」
朝ひらく回転扉通り抜け落ち葉の夕べ振り向くデジャヴ
吐息にてくもる心に口付けるあいまいすべてガラス越しの日
今すぐに会いたい気持ち放つ午後エレベーターを降りて屋上
誰もいない踊り場にいて借りた本七ページ目に名前をしるす
ドアひらく凍える指に触れたなら冬の瞳で見つめかえして
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