「ペパーミントキャンディー」
舌先でかるく転がすペパーミント君の涙の訳はきかない
雨が降るだから今すぐあいたくて水玉模様の傘さしてゆく
まぶた沁むほんの少しのメントールただ甘いだけの恋はいらない
指先がまだつめたくて君思うみずいろの雨春浅いあめ
傘の中交わすくちづけポケットにそっとしのばすキャンディーひとつ
「三月うさぎ」
春の陽はひとりの心を置きざりに雲の流れのさみしい空に
たわいないふとした言葉にはしゃぎ合う風を摘む指花を折るゆび
春の日は濃いめのお茶にまっさらなミルクをこぼし光射す午後
はなしてよ離さないでよただ二人さめない夢に恋におちても
春すべてやさしくなって赤い目に三月うさぎ涙をながす
0 件のコメント:
コメントを投稿