「さよならの砂」
サンダルの指さき焼いて終わる夏さわぐ波音遠くに聞いて
誰もいないパラソル揺れて砂浜に思い出さえも続くスナップ
飲み干したカルピスウォーター氷だけ余るグラスに雲はながれる
脱ぎ捨てたサマードレスの消えぬ染み心ににじむ水玉模様
テーブルに白い貝殻残すだけ部屋にちらばるさよならの砂
「ピクニック」
木もれ陽のランチョンマット広げては鳥がついばむ野のピクニック
朝どりのトマトはさくり陽を浴びてただ召し上がれめしあがれ今
ふかふかの森は日向の匂いするサンドウィッチに風はさむ午後
唇をま赤く染めて笑いあう苺つぶれて昼の静けさ
野の隅に忘れ物ありいつの日の種はこぼれてそと実を結ぶ
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